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2階リビングにする、と友人に話したとき「え、なんで?大丈夫?」と言われました。
日本では珍しい間取りですし、「夏が暑い」「老後が心配」という声もよく耳にします。それでも私たちが2階リビングを選んだのには、ちゃんとした理由がありました。2023年8月に完成した自宅に住んで2年半。今日はその選択を正直に振り返ってみたいと思います。
なぜ2階リビングを選んだのか
私たちが2階リビングを決めた理由は、ひとつではありませんでした。大きく分けると「水害への備え」「光の入り方」「眺めの良さ」の3つです。
水害を考えた設計判断
我が家の近くには川があります。夫が土地を選ぶときに水害のリスクを調べたところ、過去50年ほどは大きな浸水被害がないことがわかりました。ただ、近くに川がある以上、何らかの備えは持っておきたかった。
基礎の高さを標準より上げることも検討しましたが、近くの川が氾濫する規模というのは数メートル単位の話になるため、数十センチ上げても防げる水位に限界があります。それよりも、2階をリビングにすることで、万が一の水害でも生活の中心を高い位置に保てるという考え方のほうが合理的だと感じました。
加えて、エアコンの室外機も少し高めの位置に設置しています。浸水しなければ夏も冬も快適に過ごせますから、そこだけは気を使いました。

「基礎を数十センチ上げても、川の氾濫レベルには焼け石に水。それより2階に生活の中心を置いた方が合理的だと判断した。室外機を高く設置するのも同じ考え方です」
光の質が1階リビングとはまったく違う
2階にリビングを置いてみて、最初に驚いたのが光の入り方の違いです。
同じ土地でも、2階と1階では光の入り方がまるで異なります。周囲の建物や塀に遮られることなく、朝から夕方まで自然光が部屋の中に入ってきます。Momoが窓際の日当たりの良い場所を見つけて、毎日のようにそこで昼寝をしているのを見ると、この選択は正解だったのかな、と思います。



「Momoが毎日同じ場所でお昼寝しているんです。日差しの向きに合わせて少しずつ移動しながら。2階リビングにしたのは人間のためだったはずが、一番喜んでいるのはMomoかもしれません」


眺めの良さが想像以上だった
我が家には、2階から特定の方向への眺めがとても良い場所があります。設計段階では「たぶん良さそう」という程度の期待でしたが、実際に住んでみるとその眺めが日常の一部になって、思った以上に生活の質に影響していると感じています。
船底天井にして気づいたこと
2階リビングと同時に採用したのが、船底天井です。屋根の形をそのまま天井にする設計で、三角形の空間がそのまま部屋になります。
気積が大きいと、空間の感覚が変わる
天井が高いと「広い」と感じるのは当然ですが、船底天井の場合はそれだけではありません。空気の体積(気積)が大きいと、同じ床面積でも感じ方がまるで違います。最初に部屋に入ったとき、「こんなに広く感じるものか」と夫婦で驚いたのを覚えています。
我が家の2階はリビング・ダイニング・キッチン・パントリー・主寝室がすべてひとつながりの大きなワンルームに近い構成で、ドアはほぼありません。それに船底天井が組み合わさることで、114平米の家とは思えないほどの開放感になっているのかもしれません。


構造がそのまま見えることの美しさ
船底天井の場合、屋根を支える構造材がそのまま空間に現れます。木の梁が見える天井は、インテリアとしても好きなデザインです。ただ、これは好みが分かれると思います。
2年半住んで実感したメリット
夏の暑さは太陽光発電で解決できた
「2階リビングは夏が暑いでしょう?」とよく聞かれます。確かに、4面に大きな窓がある2階は夏の日差しを受けやすく、エアコンをよく使います。ただ我が家は太陽光発電を採用しているため、電気代はほとんど気になりません。
発電した電力でエアコンを使っている感覚なので、夏でも不便を感じずに快適に過ごせています。これは設計前に考えておいて良かったと思っていることのひとつです。
「2階に上がるのが面倒」問題は案外気にならない
2階リビングに対してよく聞く不満のひとつが「階段の昇り降りが面倒」というもの。実際に住んでみると、慣れてしまえばそれほど気にならないのが正直なところです。ただ、老後のことを考えると将来的に不安になることもあるので、ここは個人の価値観によるところが大きいかもしれません。
正直なデメリット:雨音
良いことばかりではなく、デメリットもあります。それが雨音です。
通常の住宅では、屋根の下に水平な天井が張られているため、雨の音がかなり吸収されます。船底天井の場合、屋根の形がそのまま天井になっているぶん、雨音が天井のある家より直接届きやすくなります。
普通の雨であれば気にならないのですが、年に数回ある強い豪雨のときは、かなりの雨音が聞こえます。最初のころは「こんなに聞こえるものか」と少し驚きました。今は慣れましたが、音に敏感な方には気になる可能性があります。
これを事前に知っていたとしても、この設計を選んでいたと思います。ただ、知らずに選んだので、最初の豪雨のときはちょっとびっくりしたのは正直なところです。



「初めて大雨が降ったとき、夫に『こんなに聞こえるの?』って言ったら、『それが船底天井の証拠だよ』と笑っていました。今はその音が、なんだかこの家らしくて好きになってきています」
まとめ:2階リビングは「誰にでも向く」わけではない
2年半住んで、2階リビング・船底天井の選択を後悔したことは一度もありません。でもこれは、私たちの土地・環境・価値観にたまたまフィットしていたからだと思っています。
向いている方:
- 日当たりや眺めを最優先したい方
- 水害リスクのある土地で暮らす方
- 開放的な空間を重視する方
- 老後よりも今の暮らしの質を優先したい方
慎重に検討すべき方:
- 階段の昇り降りが体の負担になる方
- 雨音に敏感な方
- 将来バリアフリー化したい方
注文住宅を検討しているなら、ハウスメーカーを1社に絞る前にいくつかの会社の設計プランを比べてみることをおすすめします。2階リビングのような「少し変わった提案」を柔軟に受け入れてくれるかどうかも、ハウスメーカー選びの大事な基準になるのではないでしょうか。



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