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インテリアを変えても、なんとなく部屋がしっくりこない——その正体は、照明かもしれません。
シーリングライトをやめただけで、同じ家具のまま部屋の印象がまるで変わりました。
2023年に注文住宅を建てたとき、私たちはシーリングライトを1灯も入れないと決めていました。建築士の夫と「光の地図」を描くところから家づくりを始めたのが、今思えばいちばん良かったことかもしれません。
シーリングライトをやめることにした理由
均一な明るさへの違和感
韓国で育ち、シンガポールでも暮らしてきましたが、どの家も照明はシーリングライトか埋め込みのダウンライトがメインでした。明るくて、均一で、そこに不満を感じたことはなかったかもしれません。
でも、好きなインテリア雑誌を開くと、いつも気になることがありました。写真の部屋には光と影がある。どこかに暗いところがあって、どこかにあたたかい光が灯っている。その「陰影」が部屋を美しく見せているんですよね。
シーリングライトが作る均一な明るさは、部屋全体を「フラット」にしてしまいます。家具を選んでも、ファブリックを工夫しても、何かが決まらない感じ。その犯人が照明だったと気づいたのは、家を建てることを決めてからのことでした。
夫と「光の地図」を描くところから始めた
設計の初期段階から、夫と「どこに光が欲しいか」を話し合いました。家具を置く場所、読書をする場所、食事をする場所、眠る場所——それぞれに「どんな光が必要か」を決めていくような作業です。
夫いわく、照明計画は「光の地図を描く作業」。天井に光源をつけるのではなく、生活のシーンに合わせて光を配置していく考え方です。この議論があったから、わが家の照明は今でも満足しています。

わが家の照明計画、3つの考え方
場所ごとに「光の役割」を決める
わが家の照明は、大きく3種類を使い分けています。
ダウンライト・スポットライトは、キッチンや廊下など作業に光が必要な場所に。壁を照らすウォールウォッシャーは、空間を柔らかく広げたい場所に使いました。
ペンダントライトやブラケットライトは、部屋の「主役」になる場所に。ダイニングや玄関など、視線が集まるポイントに印象的な器具を入れています。
調光できる間接照明は、くつろぐ時間帯に使うリビングと寝室に。夕方から夜にかけて徐々に光を落としていくことで、体も自然に休息モードに切り替わります。
電球交換式にこだわった理由
ハウスメーカーの標準提案では、電球が交換できない一体型のダウンライトが多いです。「長寿命だから」という説明ですが、夫は首を縦に振りませんでした。
夫いわく、照明器具の実際の寿命はメーカーが説明するよりも長く、電球だけ交換できれば十分使い続けられるとのこと。わが家はほぼ全ての照明を電球交換式にしました。器具ごと交換するコストを考えると、この判断は正解だったと思います。
調光は省エネよりも「暮らしの質」のため
調光照明を選んだ理由は、省エネよりも「その場の空気を変えるため」です。
朝の明るさ、夕方の落ち着き、眠る前の暗さ——同じ部屋でも、光の量で全く違う空間になります。また、年を重ねると同じ明るさでも見えにくくなることがあります。老眼も見越して、必要な場所にはコンセントを準備しておきました。後からスタンド照明を足せるように、という夫の提案です。
部屋ごとに選んだ照明と器具
玄関——千senのブラケットライトで帰宅のシーンをつくる
玄関には、千senの真鍮製ブラケットライトを入れました。

真鍮の質感と、小ぶりな電球のバランスが気に入っています。帰宅したときに最初に目に入る光なので、「ここから先が自分の家だ」という感覚をつくってくれる大切な照明です。主張しすぎず、でも確かに存在感がある——そういう器具を探していました。
ダイニング——Serge Mouille APPLIQUEを空間の主役に
ダイニングには、Serge Mouille(セルジュ・ムーユ)のAPPLIQUE MURALE 2 BRAS PIVOTANTSを選びました。
1954年にパリで発表されたミッドセンチュリーのデザインで、アームが動かせる壁付けタイプです。価格は179,900円と決して安くありませんが、「照明器具が悪目立ちしないシンプルな空間に、ひとつだけ主役を置く」という考え方で選びました。食事のたびに視線が自然とそこへ向かう、そういう照明です。

リビング・寝室——調光でMomoも安心できる夜に
寝室に置いているのは、ルイスポールセンのパンテラ160ポータブルです。1971年にヴァーナー・パントンがデザインした名作の小型版で、タッチで調光ができます。
夜、Momoの寝る時間が近づいてくると、間接照明をかなり暗くします。最近は眠る時間が長くなってきたMomoにとって、暗くてあたたかい空間が安心できる環境になっているようです。これは照明を計画しておいて本当に良かったと思う瞬間のひとつです。
シーリングライトをやめて気づいたこと
天井がすっきりして部屋が広く見えた
シーリングライトをなくしたことで、天井がすっきりしました。天井に何もないだけで、部屋が実際より広く見えます。照明を計画する前は気にしていなかったことですが、これは大きな変化でした。
スポットライトやペンダントライトを使うことで、空間に「メリハリ」が生まれます。全体が均一ではなく、明るいところと落ち着いたところが混在することで、部屋が「映える」ようになりました。

年を重ねても使い続けるための設計
照明計画で夫が言っていたことのひとつが「未来の自分のために設計する」という考え方です。
今は調光を絞って暗くすることも多いですが、将来もっと明るさが必要になったとき、スタンドを足せる場所を確保しておくことで対応できます。電球交換式にしたことで、器具を変えずに光の色や明るさを調整することも可能です。
照明は一度決めたら変えにくいからこそ、長く住むことを前提に選ぶことが大切だと感じています。
まとめ
シーリングライトをやめて、部屋の印象は確実に変わりました。特別な家具を買い足したわけではなく、光の計画を丁寧に考えただけです。インテリアが決まらないと感じているなら、まず照明を見直してみるのが良いかもしれません。新築やリノベーションを検討している方は、設計の初期段階から照明計画を一緒に進めることをおすすめします。



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